や行

2008年10月05日

容疑者χの献身

日本 (2008)

監督:西谷弘
出演:福山雅治、柴咲コウ、北村一輝


原作の石神像に較べて堤真一が男前過ぎるんじゃないかと、
それだけが気がかりだったけれど。
やはり彼は本物の役者だった。

ストーリー展開がわかっている分、
どうしても役者の力量を量るような見方をしてしまうのは
やむをえないか。
あと、ヴィジュアルだから原作よりも伏線がわかりやすかったかな。

とにかく原作を読んだときの引き込まれる面白さと
やりきれないほどの感動が強烈だったから、
映画はもしかしたらがっかりしちゃうかなって不安もあったけど、
それは杞憂だったと言っていいと思う。


『容疑者Xの献身』オフィシャルサイト

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2008年08月20日

闇の子供たち

日本 (2008)

監督:阪本順治
出演:江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡


原作を読んでいたからわかった部分と、
原作を読んでいたからわからなかった部分がある。

もちろん原作に100%忠実というのは不可能であることはわかる。
ただ、原作にある出来事の一つ一つを中途半端に盛り込んで
総花的な描き方をするくらいなら、
無くてもいい部分はあっさりカットして、
本筋の大事なところをもっとしっかり描いてくれた方が良かったような。

ラストが原作と違うと聞いて楽しみにしていた。
「お、こう来たか」って、さほど落胆は感じなかったのだけど、
原作がラストで突きつけた、読んだ人間も当事者である感覚が消えて、
映画を観る私は傍観者でしかなかった気がする。

世の中にはどうすることも出来ない事は多いけど、
知ることだけでも大切なのだと思いたい。
そんな気持ちで原作を読み、映画を観た。
何も出来ない私の言い訳かな。

『闇の子供たち』公式サイト

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2008年03月12日

4ヶ月、3週と2日

ルーマニア (2007)

監督:クリスティアン・ムンジウ
出演:アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ


怖いくらいにリアル。
オティリアが自分の性格に重なってしまって辛くなった。

ガビツァみたいに弱さを演じて人を振り回す女、
いるいる、ホント腹立つ。

客観視できないほどに感情がかき乱されていた。

良いとか悪いとか、そんなこと考えている余裕もない切迫感が
ギリギリと見ている人間に詰め寄ってくる。

イタ過ぎて、二度と見たくない。
そう思わされたことこそが、この映画の力なんだろうな。


「4ヶ月、3週と2日」オフィシャルサイト

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2008年01月09日

4分間のピアニスト

ドイツ (2006)

監督:クリス・クラウス
出演:モニカ・ブライブトロイ、ハンナー・ヘルツシュプ


相手の心を開きたかったら、やっぱり自分をさらさなくちゃいけないのだ。
自分の中で蓋を閉めて、自分でも見ないようにしてきたものを
自分の手で蓋を開け、取り出して相手の目の前に差し出さなくては。

「心の交流」なんて言葉を宣伝文句に使うような映画は
本当はあんまり好きじゃないんだけど、
妙に暗く重い空気に惹かれて映画館へ行った。

老ピアノ教師は、もうその姿を見ただけで
その人生に何か重苦しいものがあるとわかる。
女囚ジェニーはその凶暴さに圧倒される。
その破壊的爆発的なエネルギーがどこから来ているのかに
興味をかきたてられる。

そんな二人の甘くないぶつかり合い。
当たり前だけど、物事は簡単にはうまくいかないのだ。
一喜一憂、一進一退。
そして最後の4分間へ。

一瞬でも魂をあんな風に解放できたら、幸せだなと思う。

それにしても、男の嫉妬は恐ろしい。


映画『4分間のピアニスト』公式サイト

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2007年03月07日

善き人のためのソナタ

ドイツ (2006)

監督:フロリアン・ヘンケル・ファン・ドナースマルク
出演:ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデック


ベルリンの壁崩壊前の壁の向こうのことを、何も知らなかったなと思う。

1984年の東ドイツ。

見ていて胃が痛くなるような社会状況。
もしも自分がその国に生まれていたら、
どんな人生になっていただろう。

だけど私たちは、1989年にその過酷な状況が
終わるということを知っている。
それだけを救いに、その国に生きる人々を見つめる。
心の中で「もう少しの我慢だからね」とつぶやきながら。

人間らしさを閉じ込めて生きなければならない社会。
人間らしさを取り戻しつつある人がかすかに見せる表情の変化が
静かにゆっくりと心にしみる。
心がほんのりと温かくなる。

キレイな気持ちになれる。

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